海外進出先・進出形態検討の順序

高橋 祐希
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祐希
祐希
今回はサービス産業の海外進出において検討する順序についてご説明します。

はるか
はるか
進出形態と規制の話のまとめって感じね。

祐希
祐希
自分のやりたいことがその国でできるかどうかを検討しながら、進出先を絞っていきましょう。

Ⅰ.検討の順序

外資規制についてご説明した記事でもお話ししましたが、サービス産業の海外進出については外資規制の為、前提として「日本で行っていることと同じことが海外で必ずしも行えるわけではない」ということを理解する必要があります。

そうすると、自ずから海外進出先・進出形態決定のための検討順序が見えてきます。

外資規制について

1.外資参入の可否

先ずは、実施を予定している業種が進出候補国において外資が参入することが可能かどうか(外資が現地に法人を設立し、当該業種のライセンスを取得の上、開店・運営することが出来るかどうか)を検討する必要があります。

前述のとおり、サービス産業に対して強い参入規制を敷いている国が多いため、想定しているビジネスを検討先国において行いたいと思っていても、ルール上できない場合があります。例えば、外資がインドネシアで理美容業に参入することはルール上できません。

2.外資参入が可能な場合→独資での参入の可否を検討

もし、当該進出候補国において当該業種への外資参入が可能な場合、次に検討するべきは独資での参入が可能か否か、になります。外資の参入について特段の規制がなく独資での参入が可能なのであれば、100%自己資金での参入が可能ですので、経営に他者からの口出しをされたくない場合は独資で進出すればよいことになります。一方、ルール上独資での参入が不可であれば現地パートナーとの合弁企業設立を検討することになります。

検討すべき進出形態①(独資・合弁)

3.外資参入が不可の場合→フランチャイズでの参入を検討

一方で、当該業種への外資の参入が不可能な場合は、フランチャイズでの参入を検討することになります。その際、先ずは検討先国にフランチャイズ法などフランチャイズに関わるルールがあるか否かを確認するひつようがあります。フランチャイズ法による参入制限がなければ、フランチャイズでの現地展開を行うことが可能となります。

しかし、フランチャイズ法による参入制限がある場合は、法の要件を満たすことが出来るかどうかを検討する必要があります。

例えば、中国には「商業フランチャイズ経営情報開示管理弁法」という法律があり、フランチャイザーの資格要件を規定しています。その中には、フランチャイザーとなるものは「フランチャイズ登録申請の時点ですでに直営店を2店舗以上有し、その経営期間が1年を超えること」が要件として規定されています。

要するに、中国ではフランチャイジーとフランチャイズ契約を結んだ場合、15日以内に商務主管部門に届出を行い登録をする必要があるが、その時点でフランチャイザーは1年以上運営している直営店を2店舗有している必要があるということになります。

仮に日本のフランチャイザー(X)が中国法人(Y)から引き合いがあり、XのブランドZを中国で行いたいとの話を受けたとしても、Xが日本国内でもフランチャイズビジネスしか行っておらず、直営店舗を持っていない場合はYとの契約はできないことになります。

こういった法の要件を満たすことが出来るのであれば、フランチャイズでの参入を行うことができますが、法の要件を満たさない場合は、法人設立やフランチャイズ以外の展開方法、例えば業務委託やコンサル業としての参入などを検討することになります。

検討すべき進出形態②(フランチャイズ)

独資以外の進出形態の場合は、パートナーが必要となるので注意が必要です。

検討順序についてのまとめ

①当該業種への外資参入の可否を確認する
②外資参入が可能な場合、独資での参入が可能か確認する
③外資参入が不可の場合、フランチャイズが可能か検討する(法律の有無、規制の有無)
④フランチャイズが不可の場合は、コンサルティングや業務提携を検討する。

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髙橋祐希
髙橋祐希
海外進出コンサルタント
外食・小売・教育・理美容・コンテンツなどのサービス産業を中心に海外への進出・店舗開店支援を行います!
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